高額療養費
 

高額療養費 「 うつ病での入院費削減 」

うつ病の多くが自宅療養となりますが、自宅では休養できない時や、自殺の恐れがある場合などは、入院治療になることもあります。入院は通院に比べ医療費がかかりますが、高額療養費の制度を利用すれば、うつ病での入院費を抑えることが可能です。

 
 
高額療養費は、医療費が高額になった時に、負担が大きくならないよう、医療費に上限等が設定されるものです。

うつ病での入院費を安く出来ます

 
 

 高額療養費の概要


高額療養費とは、ひと月の間にかかった医療費が、一定額を超えた場合に、超えた分を支給してくれる制度です。病院等に一度支払いを行ったのちに、限度額以上分のお金を受け取る方法と、病院の窓口での支払い自体を、最初から限度額までとする方法の2つの方法があります( 事前に申請し限度額適用認定証の交付を受ける )。

どちらも額的には同じですが、後でお金を受け取るとなると、振り込まれるまでに3~4ヶ月程度かかるため、あらかじめ申請し窓口での支払額を抑えたほうが、退院時に用意するお金も少なくてすむので、支払いが楽かと思います。

なお、70歳以上の方は基本的に事前の申請がいらず、自動的に病院での支払額は限度額までとなります( 70歳以上でも低所得という区分の方は申請が必要 )。70歳未満の方は事前の申請が必要となります。
 
 

 医療費とは

 
医療費とは、医療保険で適用されるものをさしますので、病院が独自に設定している費用等(差額ベット代等)は、医療費に含みません。また、入院時の食事代や、先進医療にかかる費用も医療費に含みません。但し、差額ベットではない通常の「室料」は保険診療分となります。

高額療養費の負担上限額は、状況により変わります

 
 

 高額療養費の負担上限額の設定


高額療養費の自己負担上限額は、年齢や所得、その他過去1年間に高額療養費の支給を3回以上受けたか(多数回該当という)等に応じて、以下のように決められています。

なお、この上限額は、1つの病院で1回に支払った合計の額ではなく、同じ月の間であれば、同じ病院で複数回支払った額や、他の病院で支払った額も足すことができます。また、同じ月であり、同じ医療保険に入っている人であれば、他の世帯員(別居でも可)の額も合算することができます(70歳未満の場合は1ヶ月の自己負担額が21,000円以上である必要があります)。
 
 

 70歳以上の方

 

所得区分 ひと月の医療費の自己負担上限額 多数回該当
通院(個人ごと) 入院 入院
現役並み 44,400円 80,100円+(医療費総額-267,000円)×1.01 44000円
一般 12,000円 44,400円
低所得2 8,000円 24,600円
低所得1 8,000円 15,000円

 
 

 70歳以上の所得区分の詳細

 

現役並み

月収28万円以上などの窓口負担3割の人

一般

住民税が課税されており、上記「現役並み」以外の人

低所得2

住民税非課税で、以下の「低所得1」以外の人

低所得1

住民税非課税で、年金額が年額80万円以下など、総所得金額が0円の人

 
※ 所得区分の判定は、療養を受けた月が、1月~7月の場合は前々年に、8月~12月の場合は前年の所得により行われます。
※ 70歳以上で「現役並み」「一般」の人は申請は不要で、自動的に限度額までとなります。低所得の方は申請が必要です。

 

 70歳未満の方

 

所得区分 ひと月の医療費の自己負担上限額 多数回該当
通院及び入院 通院及び入院
年収1160万~それ以上 252,600円+(医療費-842,000円)×1.01 14,011円
年収770万~1160万程度 167,400円+(医療費-558,000円)×1.01 93,000円
年収370万~770万程度 80,100円+(医療費-267,000円)×1.01 44,400円
住民税課税で年収370万程度 57,600円 44,400円
住民税非課税 35,400円 24,600円

自己負担上限額は、国保でも社保でも基本的に同じ額が設定されていますが、組合独自の付加給付として、上記の額より負担の軽い額を設定しているところもありますので、詳細については、加入中の保険者へお問い合わせ下さい。
 ※ 人工透析やHIVなど医療費が非常に高額となる場合は、特例措置として上限額が1万円になります。

高額療養費の申請方法

 

すでに述べたとおり、高額療養費は、高額な医療を受ける際に、負担が大きくならないよう、自己負担する医療費に上限を設定する制度ですが、一度支払いをしたのち、後からお金を受け取る方法と、支払いは事前に上限までとする方法の2通りありました。どちらの場合も申請先は同じですが、申請に必要となる書類が若干異なります。
 
 

 後で申請し、後からお金を受け取る方法


事後に申請する場合は、通院する際または入院する際に、手続きはいりません。通常通り病院にかかり、料金を支払います。領収書は大切に保管して下さい。月の医療費が限度額を超えた場合は、案内文書が届くので、申請します。案内が届かない場合もあるかと思うので、限度額が超えたかどうか、確認しておくと良いです、超えていた場合は、以下の手順で申請します。
 

1.医療を受ける

病院等に通院または入院し、病院窓口で支払いを行い、領収証を受け取ります。

2.申請書の入手

加入中の保険者(健康保険組合等)のサイトなどで高額療養費の申請書をダウンロードします。会社の総務の人が持っている場合もありますが、会社によってはそれらは自分で行ってくださいと言われるところもあります。保険者の名称は保険証に記載されてありますので確認してみて下さい。なお、国民健康保険の場合は、保険者は市区町村になります。市役所のサイトを見てください。レセプトが保険者に届くと、先方から自動的に案内が来ることもありますが、自分で問い合わせるのが一番確実かと思います。

3.申請書の記入

基本的に被保険者が記入してください。申請書の「記号」「番号」の欄は、保険証に記載されています。「振込口座」の欄は、基本的に本人のものを記載しますが、本人が死亡された場合は、相続人の振込先を記入し、申請者も相続人の氏名を記入してください。「療養を受けた期間」は、月単位(1日~31日の間)で記入します。「自己負担額」の欄は、保険診療分(差額ベット代や食事負担額等を除いた額)を記入します(差額ベットではない通常の室料は保険診療分に含まれます)。

4.申請書の提出

申請先は、保険者(国保の場合は市役所の国民健康保険の窓口)です。添付書類として、病院でもらった領収証、非課税証明書(非課税の場合のみ)等が必要となります。その他、保険者により詳細は異なりますのでご確認下さい。当日申請書を記入する場合は印鑑や、本人の通帳が必要です。

5.振込み

約3ヶ月後に指定した口座にお金が振り込まれます。

 
 

 先に申請し、窓口での支払いを限度額までにする方法


通院または入院で、あらかじめ限度額が超えると思われる場合には、事前に申請を行います。そうすると、支払いが限度額までになる認定証が発行されますので、それを持って病院を通院及び入院します。入院の際は、急に入院がきまることもあるかと思いますが、その時は、なるべく早めに申請を行い、支払いまでに認定証を病院に提出します(代理人が行えます)。限度額を超えるか分からない場合でも、申請すれば認定証は発行されますので、迷わず申請すると良いと思います。
 

1.申請書の入手

加入中の保険者(健康保険組合等)のサイトなどで限度額認定証の申請書をダウンロードします。保険者の名称は保険証に記載されてありますので確認してみて下さい。なお、国民健康保険の場合は、保険者は市区町村になります。市役所のサイトを見てください。

2.申請書の記入

基本的に被保険者が記入してください。申請書の「記号」「番号」の欄は、保険証に記載されています。

3.申請書の提出

申請先は、保険者(国保の場合は市役所の国民健康保険の窓口)です。添付書類として、認定証申請書、非課税証明書(非課税の場合のみ)等が必要となります。その他、保険者により詳細は異なりますのでご確認下さい。当日申請書を記入する場合は保険証、印鑑が必要です。

4.医療を受ける

保険証の他、認定証を病院の窓口に持参すれば、医療費の自己負担額が限度額までとなります。

 
 

 入院時の食事代


認定証には、「限度額適用認定証」と、「限度額適用・標準負担額減額認定証」の2つの種類が」あります。前者は、医療費の自己負担が限度額までとなるもので、後者は医療費の自己負担が限度額までとなる他、入院時の食事代も減額される認定証になります。「限度額適用・標準負担額減額認定証」については、非課税世帯の方が対象です。

  
所得区分 入院期間 1食の自己負担額
27年度~ 28年度~ 30年度~
一般 1日以上 260円 360円 460円
低所得、低所得2 1日~90日 210円 210円 210円
91日以上 160円 160円 160円
低所得1 1日以上 100円 100円 100円
※ 入院期間は、過去12ヶ月の入院日数
※ 療養病床(医療区分1)への入院の際の食事代は上記と異なる場合があります。
 
 

 所得区分について

 

低所得、低所得2

住民税非課税

低所得1

住民税非課税であり、かつ一定所得以下の70歳以上の者