病院で受けられるうつ病の治療法

1950年代に初めて、うつ病や統合失調症などの精神疾患に効果のある薬が開発されました。それも、もともと別の疾患の薬でしたが、気分を上げたり、抑えたりする効果もあることがわかり、偶然見つけられたものです。それまでは、妄想や攻撃性の高い方に対し、過度の下剤を飲ませたり、水に打ちつけたり、言わば体を弱らせて攻撃性を抑えるといった、治療法とは言えない方法しかありませんでした。
 
しかし、今はたくさんの有効な薬があります。今この時代に病気になった方は、ある意味幸せであったとも言えます。それでも、うつ病での精神科受診率は、30%程度と言われ、約7割の人は、辛い症状がありながらも受診をしていない現実があります。
 
うつ病の治療法として、薬物療法以外にもさまざまな治療法があります。辛い症状を緩和し早く治すには、まずは受診する事が大切です。

うつ病の薬物療法 

 
精神科などは一般の病院と違い嫌煙されがちですが、診察をして必要があれば処方を出すという流れは特に他の診療科と変わりありません。うつ病治療の基本は、薬物療法ですが、特に軽度うつの場合は、薬は必ずしも必要とは考えられていません。いずれにせよ、うつ病の治療で最も大切なのは、まずは適切な医師の診察を受けることです。

 

うつ病での受診

 

うつ病での受診

 

受診の際に大切な事 

内科等では、検査機器を利用した診断がなされ、それに基づき治療方針が立てられますが、うつ病の治療では、基本的に医師の問診結果により、薬が処方されます。
その意味で、問診は非常に重要な意味を持ちます。受診の際に何をどんなふうに伝えれば良いのか、そもそもどんな医師にかかればいいのか等を説明しています。
 

 

 

うつ病に使う薬

 

うつ病の薬

 

薬を飲む上で重要な事 

うつ病の治療に用いられる薬として中心的なものは抗うつ薬ですが、それ以外にも抗不安薬や、場合によっては抗精神病薬も処方されることがあります。
特に抗うつ薬に関しては、脳神経を新生させる効果を持っているものもあり、抗不安薬などの、その場限りの薬とは異なる重要な薬です。
 

 

 

抗うつ剤の副作用

 

服薬管理

 

副作用への対処 

うつ病は注意力が低下する病気のため、薬を飲み忘れてしまうことがありますが、飲み忘れ以外にも、自己判断で薬を飲まなかったり、逆に量を増やしたりすることは、うつ病の症状悪化を招くばかりでなく、場合によっては命に関る重篤な副作用を招く恐れもあります。
ここでは、抗うつ剤で良く見られる副作用や、その対処方法を載せています。
 

 

病院で実施している、薬以外のうつの治療法

 
 うつ病の治療法として中心的なものは薬物療法ですが、薬の効きが悪くなかなか治らない場合や、薬物療法の効果を高める場合等に、病院では薬以外にもいくつかの治療法があります。心理療法の一種である認知療法は、欧米では軽度うつ病の第一選択肢として知られています。その他、光照射療法等は、うつの種類によっては抗うつ薬よりも効果が高い場合もあります。

 

電気や磁気治療

 

電気や磁気の治療

 

電流や磁気を流す治療 

頭部に電流を流す治療法の歴史は古く、唯一今でも行われています。もっとも今では、より安全に行うための対策がなされた上で行います。
最新の治療法としては、電流ではなく磁気を利用した治療法も行っている病院もあります。
 

 

 

認知療法

 

認知療法

 

考え方を変える療法 

同じ出来事に対しても、それをどう捉えるかによって、その結果としての感情は変化していきます。これを利用したものが認知療法です。
うつ病の治療以外にも、うつ病が治った後の再発防止にも、大きな効果が期待されます。
 

 

 

断眠療法

 

断眠療法

 

光療法との併用が効果的 

徹夜明けにハイテンションになった経験がある方も少なくないと思いますが、断眠による気分への効果の研究は、古くから行われてきました。
薬物療法と同程度の効果があるとの報告もあり、薬の効きにくいうつ病にも効果が期待されます。
 

 

 

光照射療法

 

光照射療法

 

冬季うつに劇的な効果 

光には、うつへの治療効果があるとされ、医療機関でも治療法として実施している所もあります。医療機関では専用の器具を利用しますが、コンパクトなものは市販されている為、自宅で行うことも可能です。特に冬季うつに効果が高いとのデータがあります。