うつ病の自殺
 

うつ病と自殺

世界でも日本は自殺の多い国であり、平成25年の15歳~39歳までの死因の1位が、自殺となっています。 自殺者は長年3万人を越えていましたが、近年はようやく3万人を下回りましたが、それでも依然として高い自殺率となっています。
 
うつ病と自殺については、強い相関関係があり、うつ病である人の約5人に1人が自殺しているという報告もあります。
 
ここでは、自殺の原因自殺したい時の状況、うつ病における自殺予防について解説しています。

自殺の原因 

 
 
日本では長らく毎年3万人以上の人が、自殺で命を落としてきましたが、国による自殺防止の取り組みもあり、自殺者は、平成24年に3万人を下回り、内閣府発表の自殺対策白書によると、平成27年の自殺者数は、24,025人となっています。
 
 

 自殺の原因 1 「 性別や年齢の違い 」

 
平成27年の自殺者のうち、女性が7344人であったのに対し、男性は16681人にものぼり、自殺者の約7割が男性であることがわかります。うつ病は、女性の方が男性の約2倍、なりやすいと言われていますが、こと自殺については、逆転しています。これは、男性の「人に相談することが苦手」という傾向も一因と考えられます。

また、年齢別の割合は20代や30代がそれぞれ9~12%程度であるのに対し、40代、50代、60代では、それぞれ16%と高い数値となっており、高齢者に自殺が多い傾向がわかります。
 
年齢が上がるにつれて、社会との繋がりが薄くなって孤立したり、特に高齢者にとっては、人も一種の動物であるという観点から考えた場合、種の保存などの役割をすでに終え、生きている意味がないととらえる可能性等が示唆されています。

この統計から、自殺の原因として、男性であること、年齢が高いことは、1つの自殺因子となりうると言えます。 
 

平成27年 年齢別の自殺者数( 日本 )
27年の年齢別自殺者数

 自殺の原因 2 「 生まれた時代や環境による影響 」

 
バブル期や高度経済成長期など、基本的には好景気では自殺者が減るのに対し、戦時中などの不景気では自殺者が増えることが、過去の統計からわかっています。実際に円高不況下の昭和60年前後には、多くの人が自殺で命を落としています。自殺の原因として、経済的な困難も一因となっています。
 
また、戦前から戦後という社会が混乱し、大きく変貌を遂げた時代に青年期として生きた人々は、特徴的な影響を受けて育ったため、この世代の人にも自殺者が多いこともわかっています。
 
生まれた時代や環境という意味では、自殺を厳しく禁止しているイスラム教圏での自殺率は、かなり低くなっています。その他、先進国で自殺率は高く、発展途上国は少ない傾向にあります。餓死しそうな時に、人は自ら死を選ばす、逆に生きようとする傾向がわかります。
 
 

 マズローの欲求段階説

 
アメリカの心理学者、アブハム・マズローは「人は絶えず高い次元の欲求を満たそうとして生きており、その欲求には段階がある」と述べています。必ずしも低い次元の欲求が100%満たされないと、次の欲求に移行しないわけではありませんが、次の欲求に移行するには、ある程度、現時点の欲求が満足される必要があると述べています。
 

生理的欲求

睡眠や食事など、基本的で動物的な欲求

安全欲求

住居を確保し、健康で安全に暮らしたいという欲求

社会的欲求

他者の愛を受けたい、社会的に役割があると感じる感覚

承認欲求

集団から価値ある存在と認められたい、さらに自分自身の評価も肯定的にある感覚

自己実現欲求

自分の能力を発揮して、成るべきものになりたいという欲求、他者も自者も肯定的

自己超越

見返りや評価は眼中になく、何かの使命に貢献している、悟りのような境地

 
マズローが言う生理的欲求などが満たされにくい発展途上国では、自殺と言う考えには至りにくく、逆に日本のように、ある程度の欲求が満たされたのちに、生きていく意味が見えなくなってしまうのかもしれません。
 
生物学的に考察すれば、生きている意味は単なる種の保存です。しかし人間は社会学的には動物とは違います。何のために生きているのか、掘り下げすぎることは、時に危険かもしれません。そもそも生きていく上で、意味や理由など無いという考え方も出来ます。
 
 

 デュルケームの自殺論

 
フランスの社会学者であるデュルケームは、個人が属している集団における統合の強さと、自殺の関係について考察しています。
 
個人が属する集団とは、家族、宗教、仲間、政治などをさし、これらとの結びつきが低下すると自殺が増えると述べています。つまり、社会との孤立が自殺の因子と考えられ、デュルケームはこれによる自殺を、自己本位的自殺と述べています。
 
また、社会との結びつきは、逆に強すぎても自殺を招くと述べています。例えば、軍隊やテロ組織、運命共同体であると認識している会社などの組織においては、もはや自分自身など、それらの組織の一部分にすぎないため、目的を達成するために必要であれば、自ら命を絶つという考え方です。これは、集団本位的自殺と言われます。
 
不況下では自殺が増えるということはすでに述べましたが、実は急激な好景気でも自殺が増える場合があります。この現象についてデュルケームは、不況では、食事などの基本的な欲求を満たすことが出来ず自殺に陥り、逆に好景気でも、人間の留まることを知らない欲求を満たすだけのお金が手に入らないことへの不満が、不安感やストレスとなり自殺に陥ると説明しています。
 
急激な不況や好況は、いずれも社会学的には統制がとれていない、無秩序な状況とされ、このような場合の自殺を、アノミー的自殺と呼んでいます。
 
 

 自殺の原因 3 「個人的な理由」

 
警察庁が発表した自殺統計では、自殺の原因と思われる事柄を、健康問題(病気の影響、その悩み等)、経済問題(生活苦、負債、失業)、家庭問題(夫婦不和、家族の将来悲観)、勤務問題(人間関係、仕事の失敗)、男女問題(失恋、不倫)、学校問題(進路、学業不振)その他(孤独感、犯罪発覚)、不詳、という8つの項目に分けて分類しています。自殺してしまっているため、本当の意味で何が原因であったかはわかりませんが、遺書などを基に、自殺者1人に対して、3つの理由まで計上して分類したものです。
 
これによると、平成27年の統計で、健康問題が最も多く12145人、ついで経済問題の4082人、家庭問題の3641人、勤務問題の2159人となっています。健康問題の項目では、以下の表の通り、うつ病による自殺が、どの年代でも1位になっており、自殺の原因として、うつ病が強く関係していることがわかります。
 

平成27年 自殺の原因、動機別自殺者数
 
健康問題の項目
区分 ~19才 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80才~ 不詳    合計   
体の病気 10 56 111 253 439 884 1176 980 1 3910
うつ病 40 378 707 1019 958 908 738 331 1 5080
統合失調症 20 126 248 300 206 151 60 7 0 1118
アルコール依存 0 5 21 54 60 45 19 2 0 206
薬物乱用 0 4 11 10 4 2 6 0 0 37
他の精神疾患 40 170 204 225 178 194 171 130 1 1313
身体障害 1 8 10 21 30 53 62 77 0 262
その他 4 20 22 25 21 34 41 52 0 219
 
 

 フロイトの自殺論

 

オーストリアの精神病理学者であるフロイトは、愛する対象の喪失による、攻撃性とその内向が自殺を生むという理論を述べています。ここでいう愛する対象とは、家族や大切な人という概念に留まらず、その個人が重要であると捉えている、仕事や理想、自身への自尊心なども含まれています。
 
そのそもフロイトは、愛する対象に対して、人は相反する感情も同時に持っているとしています。ごく分かりやすく言うと、好きだけど、同時に嫌いと言う感情。好きなのにいじめてしまう心理のようなものです。
 
愛する対象を失った時、リビドー(本能)が、他の対象に向けられるのではなく、自己愛的な同一視に逃避して、愛する対象が自分自身の自我に向けられる場合があります。
 
人は、相反する感情を同時に持っていると述べましたが、リビドーが自分に向けられた場合にも、自分を愛するという感情と、愛しないという感情を同時にもつことになります。自己非難とは、この「愛しない」という感情の表れであるとしています。これは、本来、他に向けられるものですが、愛する対象が他ではなく、自分になった結果に現れるもので、これににより人は、自殺という行為に及ぶとしています。

自殺したい時とは

 
 
WHO(世界保健機関)によると、自殺者の9割以上が、自殺直前には、何らかの精神疾患にあると診断できる状態とされています。自殺の個人的理由を見てみると、健康問題についで、経済的な問題が2位になっていますが、どんなに借金があって生活が苦しくても、自己破産をして生活保護を受ければ、健康で文化的な最低限度の生活は保障されます。
 
それでも自殺したいというのは、ある意味、正常な判断能力を失っている状態、いわゆる、うつ病を初めとした何らかの精神疾患に罹患している状態と言えるかもしれません。
 
人はどんな時に自殺したい衝動にかられるのか、いろいろな観点から考察していきます。
 
 

 春は自殺が多い

 

1年は1月から12月までですが、これを年度で言うと、4月から翌年の3月までとなります。実は、毎年決まったように、自殺者は年度の前後である、3月と5月に大きなピークが見られます。春の暖かい時期で、過ごしやすい気候であるにもかかわらず、自殺者が増える傾向にあります。
 
これは、学校では新学期を向かえ、社会人も新しい年度を迎えるなど、生活環境の変化が影響していると考えられます。また、春は1日を通して気温や気圧の変化が大きいため、自律神経の働きが悪くなり、精神的にも不調になりやすい傾向にあることも要因と思われます。
 
生物学的に考えると、冬は冬眠の時期ですが、暖かくなると次第に、活動の幅が増えて来ます。その際に活動のベクトルが、適切な方を向いていない場合に、自殺に至ってしまうのかもしれません。
 
 

 自殺が多い時間や曜日

 
サザエさん症候群と言う言葉を、耳にしたことがあるという人も多いと思います。日曜の夕方にサザエさんを見ると、憂鬱な気分になるというもので、俗にブルーマンデイなどとも言います。とても平和な家庭と、自分自身の状況を比べてしまうという面もあるように思いますが、それだけでなく、休日の終わりを実感し、翌日からの仕事のことに意識が向いてしまうことで、いろいろな不安を覚え、それにより憂鬱な気分になると考えられます。
 
そのため、月曜日の欠勤率は、他の曜日に比べて一番高く、仕事上のミスも一番起こりやすいと言われています。月曜の午前中は、なかなかエンジンがかからないという方も少なくないと思います。
 
自殺についても同様に、月曜日が一番、自殺しやすい曜日であるという統計が出ています。火曜、水曜と日々が流れるにつれて、自殺の可能性が少なくなり、日曜日に2回目のピークがきて、翌日の月曜日に再度、一番自殺が多くみられます。
平成25年 曜日別の1日平均自殺者 ( 厚生労働省 人口動態調査 )
 
27年の年齢別自殺者数
 
自殺は曜日だけでなく、時間も影響しています。明け方の5時や6時頃に、一番自殺が起こりやすく、次に、昼の12時頃や15時、18時頃に第2のピークが見られます。6時前後は、出勤前の時間ですが、仕事に行きたくない、死んでしまいたいという思考になるのかもしれません。睡眠不足で判断能力が低下した状況であったり、逆に断眠により、テンションが高くなりすぎて、ある種の勢いで自殺を図るという場合もあるかと思います。
 
昼の12時や18時頃のピークについては、ちょうどお昼休憩の時間や、退勤の時間と重なっており、過度のストレスから開放された瞬間と、自殺の関係が示唆されます。
 
このように人は、曜日や時間といった、毎日当たり前に過ごしている枠組みにも、精神面で影響を受けているということがわかります。
 
 

 睡眠不足が自殺を招く

 
国立精神神経医療研究センターの、三島和夫らの研究グループによると、睡眠不足では、適切に睡眠を取った者より、不安、混乱、抑うつが強まるとの研究結果が発表されています。
 
この実験では、14名の健康成人男性に、1日8時間の睡眠と、1日4時間30分の睡眠を、それぞれ5日間とり、その間に、いろいろな表情写真を見せた際の、脳機能の測定を行いました。
 
その結果、睡眠不足の状態では、腹側前帯状皮質が行っている、扁桃体の活動を抑制する働きに低下が見られることがわかり、いつも以上に扁桃体が過活動になっているため、少しの刺激でも過剰に反応してしまう傾向になることがわかりました。
 
日本だけでなく、海外においても、睡眠不足が及ぼす影響については広く研究がされています。一例をあげれば、2013年の米国ジョージアリージェント大学では、うつ病の中でも、不眠などの睡眠障害も併せ持つうつ病の場合は、そうでないうつ病に比べ、より自殺の可能性が高まるとしています。

睡眠不足の状態は、アルコールを服用した際と同じ程度、脳の機能が低下するという報告もあり、これらの症状により、睡眠不足の状態では、自殺の危険度が高くなると推測されます。
 

うつ病での自殺予防

 
 
日本の人口に占める自殺者の割合は、0.02%~0.03%程度ですが、このうち6割以上がうつ病であったとされており、さらに何らかの精神疾患であった可能性を含めると、自殺者の9割以上を占めるとされています。
 
うつ病での自殺率については、20%前後と言う報告もあり、約5人に1人のうつ病患者が、自殺して命を落としている計算になります。
 
このように、うつ病は自殺の可能性が高い疾患であり、うつ病での自殺予防は、うつ病の治療において一番重要な事柄となります。
 
 

 自殺が起こりやすい状況 

 
自殺する時、人はかなり追い詰められた状況で、他人を殺す時と同じような心理状況であるとも言われます。問題解決の方法なども考えられない状況で、辛い状況を終わらせたいという思いしか見えなくなっており、心理的な視野狭窄が見られます。
 
うつ病では、時に自殺したいと考える「希死念慮」という症状が出ることもあります。しかし、自殺したいという人も、その内面では、同時に生きたいと感じていると考えられています。
 
希死念慮は、永遠に続くものではなく、あくまで一過性のものと言われていますが、そわそわとして、居ても立ってもいられないような焦燥感という症状と合わさると、さらに自殺への危険度が高まると言われています。このような時は、抗精神病薬の服用等により、ひとまず焦燥感や衝動性を抑える対処が必要となります。
 
 

 自殺のサインや環境変化

 
自殺をする前に人は、共通した行動をとる傾向があるため、それらを知っておくことは、うつ病を見守る家族等ができる、自殺防止の対策と言えます。自殺を事前に防止するために、自殺のサインについて、注意深く見守る姿勢が必要です。 
 

死についての発言

自殺したいという直接的な表現の他、消えたい、終わりにしたいなどを話す。

自殺未遂

未遂を繰り返している場合、死ぬまではやらないだろうと考えてしまうことがありますが、実際に死に至ってしまうケースもあります。

遺書

遺書を実際に用意したり、死後のことを考えて身の回りの片づけをする。

逆に身だしなみなどに無頓着になる。

注意欠陥

死のことばかり考えているため、注意力が散漫になり、事故にあったりする

無謀な行動

浪費をしたり、社会的な逸脱がみられたり、やけになって無謀な行動を起すことがあります。

失踪

突然仕事を休んで居なくなったりする

喪失感

大事な人を失った場合や、退職後の社会からの孤独感も要因の1つになります。

環境の変化

人事異動、多額の借金など、人生の転機となる出来事は、同時にストレスにもなります。

睡眠不足

うつ病により正常な判断ができない上に、睡眠不足が合わさると、脳はさらに混乱します。特に寝るためにアルコールを飲む人に、自殺する傾向が見られます。

怠薬や拒薬

うつ病で治療中の場合、自己判断での服薬中止は、思考の混乱を生みます。

うつ病の改善期

うつが重度で寝ているだけの時は、死を行動に移すエネルギーもありませんが、少し体が動くようになってきた頃、うつ病の自殺は起きる傾向にあります。

焦燥の急激な改善

不安や焦燥が強く出ていたが、落ち着いてきて一見すると良くなったように見える時も、油断はできません。死の覚悟をしてしまった時、人は驚くほど冷静に見える場合があります。

 
 

 自殺したいと言われたら

 
 共感的な態度で接する
 
うつ病での闘病中に、自殺したいと家族に訴えてくる場合があるかもしれません。そんな時は、できるだけ動揺せずに話をありのままに聞いてください。大切な点は、ネガティブなことでも、その話に対して評価をしないことです。
 
例えば、「生きていればなんとかなる」「もっと大変な人もいっぱいいる」などと評価しては、相手は自分の話を受け止めてくれなかったという思いを強くしてしまい、逆効果となります。話は十分な時間をとって、共感的な態度で聴くことが大切です。自分の価値観を押し付けることはしてはいけません。話をさえぎって自分の考えを述べることをせず、相手の話をありのままに聴いてください。
 
 
 自殺しないという約束をかわす
 
うつ病は、几帳面でまじめな性格の人ほどなりやすいという傾向があります。自殺について、行動に起さないということを約束してもらうことで、大抵の方は、その約束を守ろうとするため、結果的に自殺の予防に繋がります。
 
 
 自殺の道具を隠す
 
自殺は衝動的に起こるものです。手に届く範囲に、ロープや刃物などが置いてあれば、一瞬の間がさしてしまうこともあります。自殺をする可能性がある方が居る場合には、その方の生活スペースから、自殺に使われる恐れのあるものは、見えないようにする必要があります。
 
 
 自殺の危険度をさぐる
 
共感的に話に耳を傾けることが基本で、話の内容に対して評価をしないと述べましたが、ひとつだけ評価したほうが良いことがあります。それは、自殺の危険度です。その人が、自殺を実際に行動として起してしまうかどうか、というレベルです。この自殺の危険度により、今後の対応がかわってきます。
 
自殺の危険度は、死についてどれぐらい考えているかを聴くことで、ある程度の判断ができるとされています。具体的には、実際に自殺の計画や方法を考えているか、今までに自殺未遂の経験があるかを聴き出します。
 
こちらから、自殺や死というキーワードを使うことは、自殺を助長させてしまうとの考え方がありますが、そんなことはなく、むしろ死について聴くことで、自分の問題に向き合ってくれているという安堵感を与えると言われており、自殺の防止法としてWHOでも推奨されています。
 
 
 ひとりにしない
 
実際に自殺するための道具を用意していたり、日付を決めているような場合は、とても自殺の危険度が高いと判断できますので、一人にせずに、付き添って病院を受診させて下さい。
 
また、自殺の危険度が低いと思われる時でも、主治医をはじめ、相談機関に相談し、早めに医師の診察を受けさせて下さい。
 

 

 自殺が起きるまでの段階

 
死にたいという思いにも、強さがあり、死にたい気持ちが強くなったり、弱くなったりしています。もちろんその思いが最大まで強くなれば、実際に自殺してしまうため、自殺を考えている方の状態が、今どの程度なのかを知ることは、自殺の予防にとても大切です。
 
WHO(世界保健機関)では、自殺の各段階について、以下のように述べています。
 

危険度 症状 対応
1 感情が混乱している 死にたい気持ちについて、共感を持って傾聴する。話すことで浄化したり、客観的になれたりする。
自分から死以外の解決策を語れるようになると良い。
2 漠然と死を思う
3 漠然と自殺を考える 自殺の方法について尋ねる。周囲からどの程度のサポートが得られるか評価する。
自殺をしないという約束をさせ、受診等を促す
4 希死念慮はあるが、精神疾患はない
5 希死念慮と精神疾患がある。
または、とても深刻なストレス下にある
自殺をしないという約束をして、精神科を受診させる
自殺に使われる恐れのあるものを隠す。
6 不安や焦燥感が強く、
以前に自殺未遂をしている
目を離さずにして、精神科に入院させる