栄養不足でのうつ病

 

栄養不足でのうつ病

うつ病はセロトニンやノルアドレナリンなど、神経伝達物質が大きく関与していると言われていますが、その神経伝達物質も、基をたどれば私たちが摂取した食べ物から合成されています。
 
その意味で、栄養とうつ病はとても関係が深いといえます。魚を良く食べる地域の人は、他の人より、うつ病の発症率が低いというデータは、良く知られるところです。これにはオメガ3脂肪酸が作用していると考えられています。
 
栄養不足でのうつ病は、体や脳に本来必要な栄養素が足りないことで起こるとする、うつです。

栄養不足でのうつ

 
 

 栄養不足でもうつになる 

 
たんぱく質や脂質、ビタミンやミネラルといった、人に必要な栄養素が不足するのがうつ病の原因であるとする説です。これまでに上げた仮説では、神経伝達物質の減少が、海馬の萎縮が、神経細胞の炎症が、うつ病の原因としていましたが、栄養素の不足はそれらとの関係が深く、神経伝達物質が減ったり、神経新生がなされない理由の1つとも言えます。

 

 

 ビタミンやミネラルの不足

 
モノアミン仮説、の項で述べたセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質は、脳内で作られますが、その主原料となるのは、食べ物から取られたタンパク質です。
 
肉や大豆等からとったタンパク質は、胃や腸の消化酵素によって分解され、アミノ酸に形を変え、脳内に入ります。脳内に入ったアミノ酸は、ミネラルやビタミンの働きによって初めて、さまざまな神経伝達物質に姿を変えることができ、機能します。
 
つまり、たんぱく質をとってもビタミン等がなければ、目的とする神経伝達物質にまで変化ができず、うつ病のような症状を及ぼす恐れがあります。そのような時には、マルチビタミンサプリが役に立ちます。マルチビタミンサプリについては、Mulvita というサイトがおすすめできます。

 
 

 脂肪酸の不均等

 

 オメガ3とオメガ9

オメガ3脂肪酸(DHA、EPAなど)とオメガ6脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸など)、オメガ9脂肪酸(オレイン酸、エライジン酸など)は不飽和脂肪酸と言われます。
 
オメガ3脂肪酸はアレルギーを抑制したり、動脈硬化を防いだりする作用が良く知られますが、最近の研究では、うつ病にも効果があるとする研究結果が示されています。これはオメガ9脂肪酸を多く含む魚などの食べ物をよく食べる地域に住む人ほど、うつ病になりにくいとの調査結果に基づきます。うつ病の原因が栄養素の不足にあるとする素にもなります。
 
オリーブオイルに多く含まれるオメガ9脂肪酸もまた、抗酸化作用や悪玉コレステロールの減少、胃炎予防に効果があり、うつ病治療に効果があると言われています。
 
オメガ3脂肪酸は、神経の細胞膜を柔軟にするため、神経伝達がスムーズになったり、神経新生を助けたり、脳神経の炎症を防いだりする効果があると言われており、1日に1000~1500mgのオメガ3脂肪酸を摂取することが、うつ病の予防やうつ病の改善に効果があるとする研究者もいます。
 
オメガ3サプリと言うサイトでは、オメガ3の総合的な情報や、サプリメントなどが紹介されています。
 
 

 オメガ3脂肪酸を多く含む食材

シソ油  エゴマ油  亜麻仁油  ほうれん草  いわし  さんま  はまち  さば  まぐろ  ぶり 等

 
 

 オメガ6 

オメガ6脂肪酸は通常の生活の中で過剰すぎるほど摂取できる傾向にありますが、オメガ3脂肪酸等は不足しがちです。このアンバランスが体をはじめ脳に負の影響をあたえると考えられます。
 
昔ながらの日本食や加工をしていない食材をよく食べる人と、ジャンクフード(オメガ6脂肪酸が多い)ばかり食べる人とを比較した研究でも、ジャンクフードばかりのグループにうつ病の発症が多かったとの結果があり、これは不健康な食生活はうつ病の原因になり得ることを示唆しています。現在うつ病の症状が出ている人は、食生活も見直す視点が大切です。